bm-koishikeribu(yui)
Pinwheel87さんの作品集

ベビメタ小説-【音楽の世界】

音楽の世界1 

暗い部屋の中に、無数の小さな光の粒が浮かんでいる。光の粒は、ややまばらな領域を中心に、渦を巻きながら部屋の中を駆け巡り、やがて光の束となりの一つの方向を示しているようでもあった。
すぅ 「ここは?この光の粒はどうやって浮いているの?」
KOBA 「この部屋は、この世界と音楽の結びつきを表している。」
最愛 「音楽?」
KOBA 「そうだ。最愛、その渦の中心にある小さな光に触ってご覧。」
最愛は、言われた通り、渦の中心にほのかに光る粒に触ってみた。たちまち、最愛が触った光の粒を中心に、それを取り囲んでいた薄ぼんやりとした光の帯が、拡大され、部屋一杯に拡がっていった。
KOBA 「そこは、音楽の出発点だ。類人猿達が、枝で石を叩いているだろう。この時、人類は、いや正確には類人猿だが、リズムを発明したんだ。」
類人猿達の石を叩くリズムが繰り返される度に、あたりの空気は明るくなり、活気を得ていくのが3人には感じられた。
KOBA 「もう一度、さっきの場所を触って。」
最愛が先程光の粒に触れたば場所に手を伸ばすと、類人猿達の世界は消え、最初と変わらぬ光の粒の空間に戻っていた。
KOBA 「由結の右手のところにあるのが、バッファ、失礼、バッハだ。そして、すぅがさっきから触りたそうにしているの、メタリカだよ。」
すぅ 「メタリカ!触っていい?」
KOBA 「800字に掛かりそうだから、止めておこう。ここ浮かぶ光の粒は、いずれも音楽と我々の世界の変更点を示している。つまり、新しい、音楽的貢献だよ。それが為される度に、人類の方向性も刻刻と変化してるのが分かるかい。」
由結 「分かる。光の粒が置かれる度に、この光の束の方向も色も少しづつ変わってるんだ。」
最愛 「結局800字超えちゃうね。」

音楽の世界2

KOBA 「そうだ。光の束に見えるのは、小さな音楽上の貢献が集まった結果だが、同時にこの世界のあり方、平和、戦争、貧困、人類の苦悩そして幸福も、その座標と光のスペクトルが反映している。」
由結 「BABYMETALもここで光れるかな。」
KOBA 「BABYMETALなら、既にこの部屋の一部になっているよ。さっき、BABYMETALのデータにフィルタを掛けておいたので、今は見えないけどね。見たいかい?
すぅ 「見たいに決まってるじゃないですか。」
最愛 「もったいぶらないで、見せて!」
KOBAMETALが何もない空間にクリックするようにタッチすると、光の束の先端に一際美しい光を放つ粒が現れた。同時に、光の束の示す方向が大きくウェーブし、その先の空間が真珠色に輝き出した。
すぅ 「綺麗!これが、BABYMETAL? 私たちなの?」 
KOBA 「そうだ。BABYMETALは今、大きく世界の方向を変えようとしている。音楽世界、地球に対する大きな貢献を残そうとしているんだ。ちょっと触ってもいいぞ。」
由結 「誰が触る?由結も触りたいけど、やっぱりすぅちゃんかな?」
すぅ 「いいの? じゃあ、触るね。」
由結 「すぅちゃん、それ由結のお尻。」
最愛 「ぼけるんだったら、最愛が触っちゃおっと。ホイ。」
ドキモだ。
KOBA 「そう、ドキモ。ドキモが始まったとたん。世界が混乱してるだろ。」
由結 「うん。なんか、ぐるぐるして、笑顔になって、ため息も聞こえたような?」
KOBA 「映像に付けられた光スペクトルには、音楽シーンや、世界情勢データを解析した結果が反映されている。だから、その時の地球規模での感情が、君たちに伝わっているんだ。」

音楽の世界3

最愛 「あ、葡萄館だ!凄い悲しみ!からの歓喜の興奮!」
すぅ 「由結ちゃんねw。」
由結 「ゴメン…………._(_^_)_」
KOBA 「世界はどんどん熱狂していっている。君たちは世界を変えようとしているんだ。」
最愛は、光の粒を元に戻すと、さっきから聞きたかった質問をした。
最愛 「このBABYMETALの光の粒の先は?ひょっとして未来?を表しているの?」
KOBA 「そうだ。今、その先は真珠色に輝いているだろう?世界が平和で幸福なことを示している。」
KOBAMETALが、再び、何かをクリックするような動作をした。
すぅ 「あっ、真珠色が消えそうにゆらゆら揺れてる。」
由結 「黒い影が押し寄せているみたい。」
KOBA 「先程の未来は、全ての外乱を取り除いた計算結果だ。残念ながら、実際の可能性を全て取り入れてシミュレートした結果は、この状況なんだよ。」
すぅ 「まだまだ、壁があるってことね。」
KOBA 「ああ。アンチの圧力も高まってきている。メタル、アイドルの双方からね。」
最愛 「そう簡単には、行かないよね。」
KOBA 「簡単じゃないさ。でも、君たちならきっと出来る……気がするww」
由結 「なんか、KOBAさん。弱気www」
すぅ 「って、由結ちゃんが一番弱気じゃないの?黒い影が怖いんでしょwww」
最愛 「そんなことないよ。すぅちゃん。由結はスッゴク強くなったよ。」
すぅ 「知ってるってw。二人とも頼りにしてます。ヨロシクね!」
由結 「由結、顔笑る!」
最愛 「由結、最愛もだよ!」
すぅ 「よーっし、かかってこいよー!」
3人は、BABYMETALが発する光の道を塞ぐかのように漂う黒い影を見つめ、小さく身震いした。