bm-koishikeribu(yui)
Pinwheel87さんの作品集

ベビメタ童話-【キツネの嫁入り】

第6章106.107.108.122-10日 02:22

BABYMETAL童話 〜キツネの嫁入り

(1)
もあ 「由結、すぅちゃん知らない?」
ゆい 「そう言えば、さっきから居ないよね。どこ行っちゃったんだろ。」
もあ 「あれ、何か外から音が聞こえる。太鼓?」
ゆい 「太鼓の音だ。お祭りかな? ああ、すぅちゃん、きっとお祭りに行っちゃったんじゃない?」
もあ 「そうだね、音が聞こえたんで、すっ飛んでったんだよ。きっと。」
ゆい 「ああ、すう飛んでったってことかww」
もあ 「相変わらず、ダジャレへた!(^^ ねぇ、私たちも行こうか、お祭り。」
ゆい 「行こう!へへっ、じゃーん。こういうこともあろうかと、最愛とお揃いの浴衣縫っておいたんだ。」
もあ 「す、すごいよ。由結。これ、由結が縫ったの?柄もセンスいいし、綺麗に縫えてるし。。。。。なんかお姉さんだね。」
ゆい 「由結はお姉さんだも〜ん。(⌒^⌒)b(得意のポーズ)」
………………………………………………
もあ 「太鼓の音、あっちの方からだね。」
ゆい 「このへんに神社とかあったかな。まあ、音のする方に行ってみよぅ!」
もあ 「あ、あそこだ。提灯の明かりが見えるし、人も集まってるよ。」
ゆい 「神社だね。鳥居があるもん。」
もあ 「へー、こんな近くに神社があったんだ。しかも周りは森になってるし。。。。」
ゆい 「キレイー!参道に提灯が、御社まで続いてる。ねえ、見て。御社の中で、人が提灯捧げながら踊ってるよ。」
もあ 「照明が他に無いから、光が踊っているみたい。」
ゆい 「ね、最愛。境内の中にいる人、みんなキツネのお面かぶってるよ。」
もあ 「本当だ。なんだろう。キツネ祭り?」
ゆい 「分かんないけど、ちょっと不気味だねw」
もあ 「あ、鳥居の中で、人が手招きしてる。」
男1 「お待ちしてましたよ。さ、境内の中にどうぞ。」
男2 「お連れ様も中でお待ちですよ。さ、中に中に。」

(2)
ゆい 「お連れ様?」
もあ 「すぅちゃんかな?」
男1 「さ、こちらです。御社の中まで上がってください。」
男2 「SU-METAL様、お連れ様をお連れしましたよ。」
すう 「もあゆい、やっと来たか。もう、みんな準備終わってるぞ。」
ゆい 「す、すぅちゃん。どうしたの、その格好。ベビメタの衣装じゃない。」
すう 「お前たちこそ、その格好はなんだ。早く、MOAMETAL、YUIMETALに変身しろ。今日はこれからメギツネを演るんだぞ。社の奥を見ろ、神バンドも待機しておる。」
もあ 「神バンド? あ、でもみんなキツネのお面被ってる。なんか変じゃない?」
ゆい 「うん。なんか雰囲気違う気もするけど。すぅちゃんも変だし。」
すぅ 「何をゴチャゴチャ言っておる。今日は大事なキツネの祭りじゃ。コスチュームはそこにあるから、早く着替えろ。」
もあ 「キツネって言われると何か逆らえない。着替えるしかなさそうだね。」
ゆい 「う、うん。」
こうして、BABYMETALの衣装に着替えたYUIMETAL、MOAMETALは、SU-METAL、神バンドとともに、いつのまにか境内を埋め尽くした聴衆に向けて『メギツネ』を披露した。いつもと変わらぬ演奏、パフォーマンスではあったが、いつもと違うのは、静かな反応。キツネのお面を被った無表情の人々が静かに揺れるだけの客席であった。
演奏が終わると、人々は表情は伺えなかったが、皆満足そうに頷くと、一人二人と靄に消えるように居なくなり、最後には誰も居なくなった。由結が後ろを振り向くと、先程まで演奏していた神バンドも姿を消していた。
三人は住宅地の片隅に作られた小さな公園にいた。境内を取り囲んでいた森も御社も消え失せ、小さな東屋の屋根の下に三人は立っていた。

(3)
もあ 「今のは何だったの?」
ゆい 「きゃーッ!わ、私たち裸じゃない!」
もあ 「えっ? ギャッ! あのベビメタの衣装も消えちゃったんだ!」
ゆい 「あ、浴衣があった。最愛、早くこれ着て!すぅちゃんは、何着てきたの?」
すぅ 「えっと、何着てきたかな?なんか転がってない?」
もあ 「ふう。浴衣があって良かった。誰にも見られなかったよね。」
ゆい 「すぅちゃん。とりあえず、しゃがんで、その木の影にでも隠れてて。何か持ってくるから。」
KOBA 「中元の着てきたのって、このパジャマか?」
ゆいもあ 「ギャッツ!いつから居た??」
KOBA 「これは、キツネの嫁入りってやつだな。さっきまで雨降ってたしな。」
ゆいもあ 「雨なんて降ってなかったけど?」
KOBA 「キツネに化かされるってやつだよ。ま、この当たりにも、昔はキツネが居たんだろうな。」
もあ 「じゃあ、境内に居た人も、神バンドも、みんなキツネだったの?」
ゆい 「あれ、こんなところに笹の葉が沢山積んであるけど。」
KOBA 「それが出演料ってわけかな。ところで、中元は?」
すぅ 「……さすがに、裸で出ていけないでしょうが。」
梅雨時の月夜には、不思議な事が起こります。特に通り雨が降る夜は。

(5)
すぅ 「由結ちゃん。浴衣縫ってくれて嬉しいんだけど、何ですぅだけ東京タワーが入ってるの?」
ゆい 「すぅちゃん。東京タワー嫌い?」
すぅ 「別に嫌いじゃないけど、せっかくのお揃いになのに。」
ゆい 「嫌いじゃなくて良かった。すぅちゃんと東京で、すう東京、すっ東京、素っ頓狂!」
もあ 「そんなダジャレを嬉しそうに叫ぶ由結、可愛いww」
すぅ 「素っ頓狂なんて、いつの言葉よ。由結のKY!」
ゆい 「KY? あ、えーっと、キツネノヨメイリ?」
もあ 「その、わざとらしさも可愛いわww」

ゆい 「そんなことより、最愛、気づいてた?」
もあ 「うん?」
ゆい 「あの境内にいた人、みんなお揃いの浴衣着てたでしょ。」
もあ 「あ、そうそう。あれ、どんな模様だっけ。」
ゆい 「さっき気になって調べたんだけど、あれは仏教のマークよ。」
もあ 「間違いない?」
ゆい 「間違いないわ。あんな卑猥な紋章、忘れないわよ。」
すぅ 「こら、仏教関係者に怒られるYO。確かに見方によっては卑猥だったような。キャッ」
ゆい 「だから不思議なの。キツネだったら稲荷神社でしょう?仏教のマークなんて使うはずないわ。」
もあ 「……ということは、誰かがキツネの仕業に見せかけたということ?」
2人は窓の外、あの神社が現れた方向を見つめると、握りあった手に小さく力を込めた。
すぅ 「うッ、ううッ。展開が早すぎて、ついて行けない。。。。」